この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。



式が終わると、新入生は各教室に戻って行く。



私は講堂から出ると、その場に立ち止まった。




次々と講堂を出て行く生徒たちを横目に、私はなぜか動き出せなかった。




遠くに見える渡り廊下、その奥、青々とした芝生が春の陽に照らされ、キラキラまぶしく光る。




なんだか体が熱を帯びたような……。




ボーーっとしている感じ……。








講堂からにぎやかな生徒たちが去ると、そこに一瞬ピリッとした空気が流れた。




最後に出てきた生徒たち、私語は無い。





真っ直ぐ前を向き、ブレることなく列をつくり歩いて行く。





「……」





その姿に息を飲む。






呆気にとられるというか、その威圧感。






まるで軍団……。







その列の一番最後に出てきた人……。