"生徒会長もヒサのこと好きなのかも"
もしそれが本当なら、どんなに幸せか……。
こんな年になってもメイクやファッションに興味も持てなかった……。
カワイイには程遠く、人前に出たり、目立つことが苦痛でしかなかった。
それが、少しずつ少しずつ変わっていく自分……。
それはきっと、センパイのおかげだよね……。
「あ!」
突然声を上げ、くるっと奈々ちゃんが私の方を振り返った。
「舞踏会のヘアメイク、あれは私の腕が良かったんだからね!
覚えておいて」
「ぷっ……」
その言い方が、奈々ちゃんらしい……。
秋の黄昏。
私たちは、図書室へ向けて歩き出した。
