この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。



学園長の言葉、PTA会長の挨拶……入学式はどんどん進められていった。


私は、その言葉や話など耳に入らず、式も終盤に差し掛っていた。






「在校生代表の言葉」

そうアナウンスされると、壇上に居た新入生の挨拶を済ませた女生徒と入れ代わるように、最前列に座っていた男の人が階段を上がっていく。






「在校生代表、生徒会長3年、瀬戸 優也です。
新入生の皆さん、この度は入学おめでとうございます。
私たち在校生一同は、皆さんの入学を心から歓迎しています」







生徒会長というその人の姿を見て、私は一瞬息が止まった。





その人は、あの時……



あのジュエリーショップで、この指輪を買って行った人だったから……。