「両親がこの学校の卒業生だからって理由で、この学校を受験させられ……。
私はみんなと違って頭も良くないし、スポーツも出来ない。
何にも興味ももてないし、何か夢があるわけでもない。
レベルの違いを感じて、この学校に入学したことを後悔したりもした……。
だから一人、図書室で過ごすことが癒しになってた……。
そういう気持ちになってる生徒が少なからず居る。
オシャレもしたい、普通に恋もしたい。
でも現実、それを表立ってこの学校で出来るわけない。
せっかくの学園祭まで、先生や校則に縛られるなんて、そんなの楽しくもない。
1日だけでも自由に出来る何か……。
それを夢見たっていいと思う」
「……」
私の言葉に、田辺さんからのそれ以上の反論は無かった。
"恋をする気持ち"や"憧れ"
その思いは、田辺さんにもよくわかるのだろう……。
ううん、きっと、ここに居るみんながわかるはず。
