「確かに、外国のプロムをそのまましようと思ったら、承諾は得られないと思います。
だから、家族も親戚も友達も、街中の人も参加出来るハロウィンパーティーというように、みんなに仮装してきてもらうんです。
色んな人を巻き込んでしまえば、先生も保護者も反対しないと思うんです」
「どうかな……」
「ねぇ……」
みんなは、いまいち納得出来ないようだった。
「それは、みんなの腕の見せ所だろ」
生徒会室がざわめく中、優也センパイの一言で静かになった。
「みんなの力があれば、先生や保護者を納得させることは可能だろ」
「はい」
田辺さんが手をあげた。
「ドレスや仮装するものが集められない人はどうするんですか?
今、保護者からのクレームが多かったり、学校側はその対応に頭を痛めているという話しも聞きます。
もし、ドレスやタキシード、舞踏会に参加するものが揃えられなかったら、きっとこんなイベントをして……と、クレームに繋がると思うんです」
「もしそんなことになったら大変だよな……」
「来年の学園祭は中止なんてことにも成りかねない……」
