この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。




「シンデレラの舞踏会なんです。
ほんの一瞬。
学園祭が終わるまでの少しの時間。

ドレスを着てメイクをする。
華やかに着飾って、普段家でも学校でも出来ないことをする。
もちろん男子もです。
そこでは、好きな人を誘うのもいいと思う。
好きな人に告白するのもいいと思う」






その言葉に、みんながざわめいた。







「制服姿しか見たことない生徒が変った姿をみせる。
それだけで気持ちも変わるし、一歩踏み出す勇気にもなる。
普段出来ないことをする1日。
夢の1日」










「……確かに、この学校は校則が厳しいし、生徒たちにしたら夢のようなイベントだろうな」





副会長が話しだした。






「ただ、毎年の学園祭の屋台や出し物でさえ、先生のチェックは厳しくて制限されるのに、この案をわかってもらえるとは思えないな」







「私もそう思います。
外国のプロムの話は見たことあって知っているけど、もしそれをヒントにしたイベントだと知ったら、先生たちも保護者も許可しないと思います」





副会長たちの意見に、みんなが頷いた。