「この案を出してくれたのは、1年生の柏木さんだ。
彼女から詳しく説明してもらおうと思う」
そう言うと、センパイは後ろに立つ私に合図を送る。
「……」
体が冷えるくらいの冷房が入っているのに、手の汗は止まらない。
それが、体中に広まっていくように感じた。
「あ……あの……」
上手く言葉が出ない私を、みんなが見つめる。
「舞踏会をしたいんです!」
ぷっ……
くすくす
くすくす
私がそう言うと、みんなから笑いが起こった。
「はい」
みんなが笑う中、副会長が手をあげる。
「舞踏会をしたいって簡単に言うけど、このプロムの決まり事を、この学校で実現出来るとは思えないけどね」
「確かに、外国では高校でもずいぶんオープンかもしれないけど、日本でこれが出来るとは思えないなぁ……」
次々と発言し、それにみんなが頷いている。
