いつもの彼なら

“ごめん!”

と言って、直ぐに手を離すだろう。


けれど今は、しっかりと握られている。


高校時代の私がふと現れる。


隣にいるのに、触れることを許されない。


落ち込んでいる時に

甘えることさえ出来ない。


野崎くんといる時は

もう1人の自分をつくらなければ

理性が保てなかった。