君は少し不器用で


やめて、そんな顔しないでよ。


野崎くんは体制を戻して

ベンチに背を預けるように空を見ていた。


「そういえば、初めてかもね。

こうやって外で会うの」


「確かに」


高校時代を思い出す。


あれはあれで楽しかったのかもしれない。


廊下で会ったら少し喋るくらい。