抱きしめられる腕が

少しだけ震えていたのを覚えている。


「付き合う事は出来なくても

“友達”として一緒にいるだけならいいんだよね?」


そう言って、私たちはいつも一緒にいた。


私も怖かった。


野崎くんは普通にかっこいいから

部活引退したら

すぐに彼女ができるんじゃないかって。


誰かに取られてしまうのが嫌だったから

何かで繋ぎ止めておきたかった。