お礼


私たちはしばらく走ったところで止まった。


「ありがとう、助けてくれて」


「いや、いいよお礼なんて」


「お礼にこれあげる」


そういって私は猫のキーホルダーをあげた。


「じゃあ僕はこれあげる」


彼は私にハート型のキャンディをくれた。


「じゃあ、気をつけて帰ってね」


彼はそう言い残して走っていった。私は彼の背


中をずっと見つめていた。


このとき私は知りもしなかっただろう。


このあとの運命を…