11月で少し寒いこの季節

京都の池巡りはとてもじゃないけど

めんどくさい





もはやストーカーしていく俺の目は

浅井だけを追いかける






少し班から離れて後ろを歩く彼女に

声をかけようと俺も後ろへ下がる




「浅井疲れた?」


「・・・」


「少し休む・・・」




「・・・話しかけないで!!」




驚いて言葉が出ない


謝ろうとしてるのにこんなに

拒絶されたらタイミングがないじゃねぇかよ


「よく聞いてくれ浅井俺は・・・」



「聞きたくないお願い黙ってやめて!!」


叫びながら耳を塞いで聞こうとしない

でも俺はどうしても謝りたくて


俺の言葉を聞いて欲しくて





彼女の耳を塞いでる手を解こうと


腕を掴んだ






びっくりして目を見開いた浅井は

一年前の保健室で抑えられたことを
思い出したのか

怯えた顔になり



必死に俺の手を振り払おうとする




「聞けって浅井!!俺はあの時のことを」


悪いと思ってる本当に申し訳ない






そう言おうと思っていた









池の周りで湿ってる土で
足を滑らせ


「きゃぁぁっ!!」





「浅井っ?!!」