背中をさすっていたら浅井は段々落ち着きを
取り戻してきた


「あたしにっ...もう少しの勇気があったならっていつも考えるの。」


「うん」


「でもずっと出してこなかったから、もう出し方なんて忘れちゃったんだよね」

へへっと最後に、めっちゃ可愛い笑顔を
添えてきた


ぐっと心臓をつかまれた気分だけど

なんだかとても気持ちが良かった


「俺が、勇気の出し方を教えてやる。困った時は少し頑張って俺の名前呼んでみ?」


「え?内河...くんの?」


「そー。出来るだけ大声で、な?あ、あと呼ぶ時はオレの下の名前だとさらに勇気が出るかもよ?」


なーんていう冗談も言ってみる

「えっなにそれーふふっ」








「大誠」







「はっ、えっ??」

不意に名前を呼ばれて露骨に驚く



柔らかい声が俺を呼んでいる


いくらだって答えられそうだ


「って呼べばいいんでしょ??」



あ、なんだ


「あ、うん、そゆことね。びびったわー」

ははっと笑って驚きを隠す

「??」


再びきょとんとする彼女を見て



俺はまた笑った