「あたしね」


沈黙を破るように浅井が話し出した


俺は最後まで聞いて


今度こそは失敗しないように



それだけを考えていた



「この意気地なしの、根性なしな性格をどうにかしなきゃって…なんとかしなきゃって...」


「うん、それで?」

彼女は再び泣き出してしまった


背中をさすって最後まで聞こう



「そっ、それでねっ、高校に入ったらなんか変わるかもって思ってたの...」

そう言うと俺の目を見てきた


まるで答えてというように



「ん、でもさ浅井さん。自分が変わらないとなんにも変わらないんだよ?」


「っわかってるよ〜」


浅井はそれだけいうと大泣きしだした



まるで赤ん坊のように泣いて

無防備な彼女


「はいはい大丈夫大丈夫。わかってるんだね」



口からは予想以上に甘い言葉が出てくる