「はぁ・・・・」

レンはサーフボードに座り、波に揺れていた

今日でこの海ともお別れだ

サマーバケーションに入った日は、もうプレスクールに通わなくなるなんて思いもしなかったのに、あの日、姫花の友達と再会してからめまぐるしく忙しくなった

写真の中でしか見たことのなかった人が次から次へとやってきた

それに雑貨屋のダンの上司ってのも姫花の友達だった

龍馬っていう、こんな常夏の場所にきても常に長袖を着ている変な人だ

ってそういえば、ダンもいつも長袖だったような気がする・・・

あの日、俺にアイスを買ってくれた男の人

潤也

あいつが俺の父親らしい・・

俺の存在さえしらなかったその男はあれからちょくちょくやってくる

仕事が忙しいらしく、滞在時間より、移動時間のほうが長いのに、わざわざ来る

俺的に、かなりめざわりな男だ

そして、俺の事をガキ扱いしてくるところが非常に腹立たしい

あの姫花のアニキって男は、とにかく甘い

俺に甘い

俺がかわいくて仕方がないんっだって姫花が言ってたけど、俺は男だし、かわいいなんて言われて嬉しいわけがないんだ

こうして俺は、初めて故郷である日本の土を踏むことになったんだ