その人はレンを立ち上がらせ、服についた土ぼこりを払ってくれた

顔をあげるとそこにいたのはアジア系の女性がひとり

じばらくすると、手にはアイスを持ったアジア系の男性がやってきた

「ほれ・・・」

「・・・・・」

「食え・・・」

「食えって・・ もっと言い方ってもんがあるでしょ?」

レンはしばらく傍観していたが、女と目が合い、笑ったので、少し警戒心を緩め、笑顔で男からアイスを受け取った

その場でアイスを食べながら、目の前にいる男女をチラッとみる

どこかで、会ったことがある?

レンが考え込んでいると

「坊主、家まで送ってってやるよ?」

と男が声を掛けた

「ちょっと、潤也? いくらなんでもそれはマズいって・・」

目の前で再び言いあう男女をみていたレンは、目を見開いた

そう、あの写真の中の人たちだ!!

それに気がついたレンは

男の提案を受け入れ、自宅へ二人を案内したのだった



家に着くと、レンは男の腕をひっぱり、降りるようにせがんだが

「坊主、いいって・・ 俺らも忙しいんだ・・な?」

とやんわり断る男

「ごめんね・・ そうだ、君、名前は?」

女までも全く降りる気配がない

「おい、りん・・ こいつに日本語・・「レン!!」」

男が言い切る前に、レンは名前を名乗った