ジュディから衝撃の事実を告げられた潤也はあてもなく車を走らせていた

自分のものにならない姫花を忘れようとしても忘れられなかった

あの日、姫花の肌を知ってしまった潤也は、もう姫花以外の女の肌に癒されることができなくなったのだ

妊婦というのを理由に、妻になったジュディの事も抱かなくなった

あの日、初めて姫花と肌を重ね合わせ、心も体も満たされた潤也は、たとえ姫花の隣にいれなくとももうジュディとは一緒にいられないと決めた

彼女にソレを伝えようとした日に知った妊娠という現実

ジュディのお腹に宿った、自分の子どもに罪はない

寂しさに負け、姫花への気持ちを本人に伝えることもせずに、楽なほうへ逃げた自分への戒め

潤也は“別れよう”という言葉を飲み込み、“結婚しよう”とジュディに告げたのだった

そして、自分の子どもと自分の子どもを産んでくれるこの女性を愛していこうと決めたのだった

10ヶ月という時間の中で少しずつでもそう思えるようになりたいと思っていた

だが、それは頭で考え決めたことで、簡単なことではないと、最近気付いてきたところだった

そんな時に聞いたジュディからの衝撃の告白は潤也を動揺させるには十分すぎる事実だった

妊娠していると聞いたときより、はるかに衝撃は大きく、あの時感じた“諦め”とは逆の“希望”が見えた潤也だった

しばらく車を走らせ自宅に戻った潤也が目にしたのは、ベットで泣きつかれ寝てしまったジュディの姿だった

ベットの脇に膝を立て、寝ているジュディの頬に残る涙の後を拭い、そのまま頭を撫でる潤也

ジュディの姿に潤也は胸を締め付けられる思いだった

自分はなにをそんなに喜んでいたのだろう・・と

潤也には、嘘をついてまで自分の側にいたいと願ったジュディを放っておくことが出来なかったのだ