賢次は、グラスに残ったビールを飲み干し

「じゃ、俺先行ってるわ」

とエレベーターの方へ行った

エレベーターに乗る賢次を見送り、潤也は口を開いた

「で、どうだった? 久しぶりのデートは?」

「楽しかったわよ?」

「へぇ~」

「色々話したし・・・・ 」

「そう・・」

「あの頃と変わらず、一歩的に私だけ・・・」

と姫花は潤也を見た

「・・・・・」

「おっかない顔」

と姫花は笑い、潤也から視線を外した

「ったく・・俺って小せぇ男・・・」

と潤也はグラスのビールを一気に飲み干した

「そう?」

「あぁ・・ ちぃせぇ・・ 一生かなわねぇよ・・あいつには・・」

「勝負してるの?」

「生身の人間だったら勝負にもなるんだろうけど・・」