「いまでも、好き。 私は日向を一生忘れない。でも、思い出さない・・・・」

「姫・・・・」

「でも、今愛してるのは潤也だけよ」

と笑う姫花

「あったりまえ~」と聞きなれた声

姫花がその声に振り返るまもなく、後ろから抱きしめられ、髪に落とされるキス

「はぁ・・・ ったく・・」

とその光景を見ることもなく姫花の隣に座る賢次

「潤也!! 重いって!!」

姫花に言われ、しぶしぶ潤也も席に座った

「って!ちょっと賢次! そのビール!!」

賢次は日向に用意されたビールを何の躊躇もなく飲んでいた

「いいじゃん! 飲まなきゃもったいないって!」

「って・・仕事は? なんでココにいるの?」

「姫花に会いたくって、会いたくって・・・」

と潤也

「・・・・賢次、なんでココにいるの?」

潤也に聞いても埒が明かないと悟った姫花は賢次に話をふる

「ひでぇ・・ ジェイ! 俺もビール・・・・」

と潤也はカウンターのジェイソンを見た

「ドンマイ~」とジェイソンはそんな潤也がおかしくて仕方がなかった

「監督と主演女優が大喧嘩して、撮影が中断されたんだよ。 俺等のシーンはほとんど撮り終えたから、一旦帰ってきた。とりあいず、1週間くらいでまだ飛ぶけどね」

やっぱり、賢次に聞いたほうが早い

「姫花に電話しても、電源切ってるし、家にかけても誰も出ないし、ここに来て、姫花がいたのは本当に偶然」

と潤也はふたりにグラスを掲げビールを飲んだ

それにしても、こっちに帰ってくるまでの間に連絡は出来なかったのかと疑問におもうのは普通だろう