「ガシャコーン!逮捕〜」なんて言いながら、片手であたしの手を握る琉斗はいつも楽しそうに笑う。
手、おおきいな。
「自転車よろけてんじゃん。下手くそ」
「うっせ!片手でチャリを押すってのはなぁ、難しいんだよ!」
「じゃあ離せや」
「むりむり!沙里と手ぇ繋いだらさ、なんか体がいうこと聞かないの!離れないんだよどうしても俺の手!」
「あたしの手は離せる。自身の思いで。」
「うわ!ちょ、沙里ひど!
そんなことしても俺の家行く事実は変わらねぇかんな!」
琉斗はいつもストレートに気持ちをぶつけてくれる。
もらってばっかり。
それなのにあたし、なんにも返せてない。
体と頭は常に反比例。
あたしだって、ちゃんと琉斗に『好き』って伝えたい。

