それに。
こんな彼と一緒にいたりなんかしたら、アイツを蹴飛ばす自信ありありだもの。
あんな、『僕、勉強できます』アピールみたいでキモい。やだ。
まぁ......かっこいいのは認めるわ。
要は、性格が嫌いなの。
それ以上でも以下でもないわ。
あと一時間。
あと一時間、授業頑張れば帰りの時間。
帰りの時だけは、あたしは彼を独り占めできる時間だもの。
だから、学校の間はみんなに譲ってる。そんなスタイルで過ごす毎日。
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「んじゃ皆、気をつけて帰れよ~」
担任の言葉を最後まで聞かずに部活へ走っていく者、のんびり友達と用意しながらしゃべる者、みんな人それぞれ。
「沙里。帰っぞ。」
「うん。」
あたしは、ただただ無言でいる者。
琉斗が迎えに来てから席を立つ。

