早乙女くんは見かけによらず✕✕



「さ…り…?」

目をまんまるくして、絞り出すかのように紡がれた小さな声は、ちゃんとあたしに届いた。


「ん?」

───ポタッ


「……は?」

雫はあたしの頬に上から降ってきて。




「え、泣くの?」

ポロポロ涙を零す琉斗。


おかげで、いつものような口調に戻ってしまった。

せっかくちょっと優しいあったかい気分だったのに。




「え、ちょっ。
…………ほんとう?」


───ドゴッ


「う…ゔぅ…」

「疑わないで。気分わりぃ。」

「ちょ、沙里。口調…」



ムカついた。

せっかく人が勇気出して好きって伝えたのに、感動に浸ってたのに。



それを否定するなんて。