あたしの両腕は琉斗の左手によって拘束されている。
さっきまで怖いって感じてたはずなのに。
琉斗があたしを否定するなら受け入れるって思ってたはずなのに。
この、温かいのが広がっていくような感じは何なのだろう。
「さっきの質問もう1度する。
いつもあんなん言われてんの?」
2度目の質問に、あたしはこくんと頷いた。
「でも、ほんとに気にしてないの。」
そう答えた瞬間、琉斗の瞳が一瞬揺れた。
「沙里が気にしてないならいい。
でも、俺は言って欲しかった。気づいてやれなかった俺の責任でもある。てか、俺の責任だ。
でも、俺たち付き合ってんだろ?
いつも沙里は1人で解決しようとする。
でも、俺はそんな沙里見たくない。全部ぜんぶ!!2人で進みてえんだよ…!」
俺の責任?
ちがうでしょう?
ぜんぶぜんぶ、あたしが悪いんだ。

