何分たったんだろう。
秒だったかもしれない。
でも、あたしにはすごく長く感じた。
唇が離れた瞬間、体に酸素を送るため、めいいっぱい息を吸うあたしのことなんてまるで無視。
「きゃっ!」
腰をぐっと引き寄せられ、引きずられるように連れられた先はベット。
投げられるように仰向けにされ、上に跨る琉斗。
──初めてあたしが琉斗を"怖い"と感じた瞬間だった。
「りゅう、と?」
「俺はさぁ。」
氷のように冷たい声。
さっきまでとは比じゃないくらいキレてることが声から伝わってくる。
「別に沙里に友達つくれって言ってる訳じゃない。
俺には頼れよっつってんだよ!!!」
怒りの中に隠されてる悲しみ。
その悲しみは度を越えると怒りへと姿をかえる。

