「……っ、帰る。」
悲しくなった。
あなただけは否定しないでくれると信じてた。
呆れないって思ってた。
あたしから離れないって思ってた。
それも自分にとっていい解釈なだけね。
………つかれた。
もう、何にでも。
「…沙里!!」
あたしから逃げるなら追わない。
来るもの拒まず去るもの追わず。
まるで学校でのあなたみたいね?
あたしも意外と来るもの拒まずなのかしら?
気持ちのせいか、重い腰を上げてドアへと向かう。
─────ドンッ
「行くな。
………行かないでよ、沙里。」
後ろから手がのびてきて、開きかけたドアをあたしの後ろから片手で閉める。
閉めたことを確認したその手は、あたしの体に巻き付く。

