早乙女くんは見かけによらず✕✕



真剣な視線を送ってくるからあたしもいい話か悪い話なのか見分けようと目を合わせていたけど。


質問内容が分かってから、あたしは目をそらし、琉斗が持ってきてくれたチョコチップクッキーへと手を伸ばす



─────パシッ


はずだった。

そして思い通りにいけば今頃、チョコチップクッキーがあたしの口の中で甘く溶けている頃。


クッキーを持つ前に琉斗に手を掴まれ、食べることが出来ず手はクッキーの上で止められる。


「……なに?」


視線を目の前の手に落としながら聞く。


「逃げんな、沙里。」





どうやら彼は、怒っているらしい。

目を細めて、こっちをまっすぐ見ている。




目を合わせなくたって、わかる。