そして、いつも以上に真剣な顔をした琉斗に、戸惑う。
「帰り、お前なんか言われてたろ。女たちに。」
聞こえてたんだかんな。と付け足す琉斗の言葉に思い出すあの時間。
確かにいつも言われてるけど。
でもそこにいつも琉斗いるよね?
知ってたのかと思ってたわ。
不思議な顔でもしてたのかしら。
「まあ確かにいつも帰り一緒とはいえ、一緒に歩いてても俺がクラスの女子達に止められたりとかしてっけどさぁ。
今日はたまたま話しかけられずに帰れる!って思ってたら変なことコソコソ話してる声が聞こえてたの。
いつも言われてんの?」
真剣な声に真剣な顔。
視線はまっすぐ、あたしに向けられていて。
あたしは珍しくひどく動揺
……………なんてするワケないでしょう?

