男は一瞬怯んだがそのあとまた懲りずに同じことを言ってくる。
なんなのよ……。
なんであたしの言ってることが分かんないの?
悔しさと不安で泣きそうになった時
「おい。」
ナンパ男とは違う別の声が遠くから聞こえてきた。
その声にあたしもナンパ男も振り向く。
……だれ?
薄暗くて顔がハッキリと見えない。
「そーゆーことはダメなんじゃね?ちゃんと常識わきまえろよ。」
声の主は続けてそう言う。
その言葉にカチンときたらしいナンパ男は
「うっせぇなぁ!テメェーにカンケーねぇだろうが!!」
あたしに話しかけていたときとは全く違う口調と表情。
「口出しするくれぇならそんな遠くに隠れてねぇでさっさと俺の前に来いや!」