七夕前日、私は浴衣を新しくするために
帰りに買いに行こうとしていた。
教室から出て…階段を降りようとしたけど
颯月の声が、私の足を止めた。

「…遥果!…とうとう明日だな!
お前の浴衣姿楽しみにしてるよ。」

「本当に私でいいの?…誘うの」

「誘いたくなかったら、言わないから。」

そうだよね…こんなかっこいい人
誘える人沢山いるよね…

「あ、言っとくけど…俺は、お前だから誘ったんだよ」

「…え?」

「じゃ、明日…時間通りに、お前の家まで迎えに行くから」

…私だから誘った?
颯月の言葉がループし続けた。

「おーい、聞いてるかー?」

「え?あっ、うん。…明日、宜しくね」

「おう!」

…七夕か。
織姫様、彦星様…の一年に一度しか会えないそんな奇跡。
雨にならなきゃいいな

「…これでいいかな?」

颯月は、なんて言うんだろう…
似合わないとか、言うのかな。
流石にそれは私が傷つくからなぁ…

「颯月…は、どんな浴衣なんだろう」

何を着てもかっこいいよね…颯月は。

「…明日のために、早く寝よう」

…明日、颯月はどんな反応してくれるのか
考えながら眠りについた。