叶わぬ恋だとしても




カタ……

指先が入口の前にあったピアノに触れて、
小さく音をならす。

普段なら、絶対に気がつくことの出来ないような小ささで。


でもそれは、この静寂を破るのには充分過ぎた。


男子生徒が顔をあげ、目があう。