叶わぬ恋だとしても

(ネクタイ赤だ
3年生、か。)

そのまま立ち去るのも変だし、どうしようかと迷っていると

「ねぇ、君は吹奏楽部興味ある?」

耳に入って来た声に導かれた。

「えぇ、まぁ。
中学校でもやってましたし。」

「ふーん。
パートは?」

「パーカッションです。」

そう答えると、ふっ。と彼が笑顔になった。
(やっぱり、凄く綺麗。)