叶わぬ恋だとしても

「……なんでここに?」

うつくしすぎる彼に見惚れて声が出せなかった私に彼は聞いた。


「音楽室っていう文字を見て、なんとなく。」

ピアノの音に惹かれた。
とは、言わなかった

彼が弾いていたのでなければ恥ずかしい。

「ふーん。」

そう言って彼は持っていた楽譜に視線を落とした。