「おはよう~!」


「あ!舞子おはよ!」


「今日も暑いねぇ」




私たちはいつも駅で待ち合わせをして学校まで行く。


私の親友の舞子とはもう長い付き合いで、何でも話せるくらい大事な友達。


舞子もそう思ってくれてるといいな。





学校に着いて教室のドアを開けると色んな視線が刺さる。



こちらを見ずにヒソヒソ言っている女子たちを横目に席に着いた。


これはいつものこと。


なんでかって?




それは






「池谷くんおはよー!」



「はよ」



この人が原因。


池谷、もとい優くんとは私の彼氏。



これがまたイケメンなのだ。



シャープな顔に長い足。キリッとした奥二重に高い鼻、形のいい唇。



女子が騒がないはずがない。



私もその女子の一人なのだが、見てるだけの周りの子達とは違い、私は優くんにもうアタックをかけた。



努力実ってかめでたく付き合えた私たち。



だが周りの子達がいい思いをしなかったのは事実で、こうして居心地の悪い思いをしているのだ。



でも、私には親友の舞子がいるし、何より大好きな優くんがいる。



舞子は浮いている私と違って人気者で、



大きな目に通った鼻、小さな顔に色素の薄い長い髪。

とても美人な上に頭もよくクラスの委員長も務めている。



こんな浮いている私と一緒にいても嫌われないのは舞子がとても魅力があるからだろう。



私と言えば、


肩下までの髪を適当にポニーテールにしていて、顔も中くらい。勉強はどちらかと言うと苦手でたまに欠点もとる。





だからたまに舞子みたいにかわいくて頭もよければ皆から悪口を言われないのかな、と思ったりする。




まあ、いいんだけどね。




「優くん、今日は早いんだね!」



「あぁ、起こされた」



優くんは朝が苦手で遅刻することも多い。


朝からいるのは珍しい。



「ねえ!今日ね、帰るときデートしない?制服デート!」


そう、ずっと言いたかったんだよね!


最近出来たデパートがあって、それが結構大規模なデパートで一度いってみたいと思っていたのだ。




「あ、わりぃ。今日はちょっと用事があるんだ」



「そうなんだー残念!また今度行こっか!」

 
残念だなーと思っていると


「後、今日は一緒に帰れない」


がーーん


ダブルパンチ。



「がーーん」



「ごめんな」



ふっ、と笑ったようにそう言われて



「いいよー!」



と言ってしまう私は優くんにゾッコン。




このままケッコン…なんて!!!


いや照れるー!!



「結愛、なににやけてんの」



舞子が引いたように言う。




「ぬふふ、ちょっとね」



ケッコンかぁ…


するなら優くんがいいなあ



とか考えていたら先生が来てしまった。