【完】キミからの“好き”がほしいだけ




「叶愛ちゃんの脳には...悪性の腫瘍があるんだ...」



は......?


脳に悪性の腫瘍?


なんだそれ...



「雄大、悪い冗談はやめてくれよ」



嘘でも言っていいことと悪いことがある。



「嘘なんかじゃない...」



雄大の瞳からポツリと雫が零れた。


その雫が嘘ではなく現実なんだということを実感させた。



「なんで今までそんな大事なこと......!!」



「叶愛ちゃんは今、お前のためだけに生きてる...」




俺のためだけに生きてるだと?


俺と叶愛は他人だぞ?



「病気のこと永遠には言わないでって叶愛ちゃんに言われたんだ。

心配させたくないからって......。」



なんなんだよそれ......


俺らは他人だろ?


そう言い出したのは叶愛だろ?