ホントは聞かずに帰りたい。


だけど、それだとずっと叶愛を諦められない気がする。





「まずは、森山さんのこと」



森山さん...紗綾ちゃんのことだ。



「別れたよ」



そう、俺は紗綾ちゃんと一週間前に別れた。



それは遡ること、1ヶ月ほど前......




──────***...




夏祭りの次の日


俺は紗綾ちゃんと空き教室に行った。



「......別れるなんて言わないよね?」



紗綾ちゃんは瞳に涙を溜めながらそういった。


いつも優しく笑ってくれた紗綾ちゃん


こんなにいい子を泣かせてる俺は情けない



「......」



俺は何も言えなかった。