[ 叶愛side ]




結局何もできないまま...

あれから一週間が経ちました。




つまりは夏休みになってしまったのです。



しかも、渡辺くんにも水族館行くの
来週にしてほしいって言われちゃったし...



最近、体調が良くない。



でも、気晴らしに暇だし一人でブラブラ散歩中



「叶愛」



聞き覚えのある声に振り返った。



「......菜実」



そこには気まずそうに顔を曇らせた菜実が立っていた。




「叶愛、ほんとにこの前はごめんっ!!」



あたしのまえで深々と頭を下げた菜実



「ちょっ...!!菜実!?何してるの!?」



慌てて頭をあげさせると、
菜実の頬からは綺麗な涙が流れていた。



「ほんとにっごめんなさい...っ」



それでも謝る菜実をギュッと抱きしめた。