「叶愛、気になるんじゃないの?」



さっきまで楽しそうに渡辺くんと話していた
菜実がいつの間にか隣にいた。



“気にならない”

そう言えば嘘になる。


でも、前に進むって決めたんだ。
だから...



「ぜーんぜん」


「ふーん...」


見え見えな嘘にきっと菜実は気づいてる。


ほんとは目で追っちゃうことも
声を聞くだけで気持ちが弾むことも。



「叶愛ちゃん、おはよう」


朝からニコリと爽やかスマイルを向けてくれる渡辺くん。