あの日、わたしは泣いて、泣いて、泣きまくった。
泣きまくってたどり着いたのは音楽室。
そっとピアノの蓋を開けて指が鍵盤に触れる。
あの時弾いた曲は今でも覚えてる。
ベートーヴェンの「悲愴ソナタ」
悲しくも美しい旋律の曲。
私はこの曲を泣きながら弾いていた。
その時、ガラッと音がした。
音楽室のドアがあいた音だ。
その音と共に入ってきたのは1人の男の子だった。