黒崎くんに彼女がいるってわかってから黒崎くんのことを避けてしまうようになった。

「矢島~。プリント配るの手伝ってくれ」

「ごめん、急いでるんだ」

ほら、また。ホントは手伝いたいのに…隣にいたいのに。

大好きだから、避けてしまうんだ。

もうすぐ夏休み。

もう一回、仲いい関係に戻りたいよ…

「ったく。なんだその顔。」

「俊也…久しぶり」

「久しぶり…!じゃねぇよ。
ずーと幽霊みたいな顔しやがって」

「うるさいなー。私にだっていろいろあんの!」

そう、黒崎くんのこと…とかね。。。

「俊介のこと?」

ギクッ。図星だ。

「うん、まぁ……ね」

「もえかのことだったら気にすんな。
あくまで噂だしな。
それに、俊介の口から聞いたか?」

それは……

「聞いてない…けど。 」

「だろ?だったら、本当ってわかるまで諦める必要ねぇよ。」

「そう…だよね。ありがと」

「おう。俊介、いま図書室にひとりでいるぞ。行けば」

「えっ、でも…」

「好きなんだろ」

「いく。」

走り出した。



「ガラッ!!」

勢いよくドアを開けたせいか、注目を浴びた。

「すいません…」

恥ずかしくなり、謝った

「黒崎くん…」

いた。なにやら、調べ学習の本を探しているようだ

こちらに気づいた黒崎くんが話しかけてくれる。

「よっ!珍しいな…矢島、馬鹿だから図書室とかこなさそうなのに…」

「ひっど!図書室くらい来ますぅ」

確かに馬鹿なんだけどさ…,

って、ちがくて!

「ね、黒崎くん!」

「なんだ、どーした?」

「もえかちゃんと付き合ってるって本当なの?」

「もえかちゃん……?あぁ、西山か!」

胸がドキッとする。

「付き合ってねぇよ!どこ情報だよ、それ」

「え?付き合ってないの…?」

なんだ、良かったぁ

「矢島こそ、俊也と付き合ってるってほんとなんだろ?」

「え、ちがうよ!ちがう!」

誤解されたくなくて速攻で拒否した。

「なんだよ、そうだったのかよ」

「うん」

「俺さぁー、好きなヤツいんだよね」

え、いたの?そりゃー、いるか

「そうなんだ…。うまくいくといいね」

「お前だよ、矢島が好きなんだ」

持っていた本を落とした

「え、ほんとに?」

嬉しすぎて泣きそうだよ…

「嘘ついてどーするんだよ。
矢島、返事は?」

「すき!だいすき!」

「ん、しってた。」

「え!?えぇぇぇ。いつから?」

「校外学習くらいから?
おれ、そのときから好きだったしな」

「そんなんだ…ありがと!」

「おれら、カレカノだな~っ!」






矢島くん。大好きです!