えー、わたくし矢島美琴はですね…

絶賛迷子中です……

なぜこんなことになったのかというと。。


~数時間前~

「うわぁぁ!中華街だ!いっぱい食べものある!」

「矢島、食いしん坊だな。ほんとに女子かよ」

うう、黒崎くんに変なとこ見られちゃった…

最悪……

「ちょっと、トイレいってくるね。みんな先行ってて!」

「ちょ、矢島!」

「ごめん、俊也」



……ということなのです。。

校外学習なのでもちろん携帯もってるはずもなく。

「このまま、横浜にぼっちでいるのかな…」

迷子になったことよりも、黒崎くんに変なとこ見られたのが悲しくて。

「うっ、う…最っ悪……」

泣き出してしまった。

「矢島!」

顔を上げた。

「ど…うして…」

黒崎くんがいた。

泣いてる姿見られたくないのに…

「ごめんな、泣かせて」

「え、黒崎くん!?離してよ…」

私は黒崎くんの腕の中にいた。

「私は大丈夫だから…」

「ほんとごめん、こんなに暗いところでひとりにさせて。」

「黒崎くんのせいじゃないよ…」

もう、だいすきだ。

「よし、戻るか!楽しもうぜ~」

「うんっ!」

笑顔になれた。良かった。

やっぱり、すごいよ、黒崎くん。

人を笑顔に出来るんだもの。