夕顔が保育園に行かないと言いだした。



行きたくない理由はお弁当。



俺のお弁当は見た目も味も今一つ。



お祖母さんのお弁当は煮物とおにぎり。



華の時はたこさん、かにさんのウインナー、ハート型のハンバーグ。



カレー味のフライ、ウサギりんご。



お弁当の時間が楽しみだったのだ。



パパのお弁当は嫌だと泣きだした。



華ちゃんのが絶対いい。



「パパ早く華ちゃんに帰ってきてって、お願いして、嫌いなトマトも人参も食べるから。」



俺は泣きじゃくる夕顔を抱き締め、ごめん。ごめん。と謝った。



華が謝らないでと泣き叫んだ顔が思い浮かんだ。



昨日華はまだ俺が好きだと言ってくれたのに、俺は何をしてるのだろう。


何を守ろうとしてるのか分からなくなる。




華も夕顔も幸せにしたい。



今のままではいけない。