冗談ではないようで、私の母親はあの女優の水嶋カオリだった。



「華、驚かせてごめん。カオリが華に一度会わせてほしいと言うんだ。華が会いたければ会えばいい。これが住所と携帯の番号。」



父さんからメモを受け取った。



やっぱり母親は生きていた。



しかも女優で、驚き過ぎて言葉も出ない。


会いたいとか会いたくないとかの問題じゃなくて、頭がついて行かない。



テレビにずっと水嶋カオリが映っていた。



36才には見えない。



若くて綺麗だ。



本当にこの人が私の母親。


父さんに水嶋カオリの事を聞こうと思ったのに、ビールを飲みソファーの上で寝てしまった。



この話しをどうしても誰かに聞いてもらいたかった。



かず君もう寝たかな?



かず君の携帯番号もアドレスも消したままだった。



彩夏に電話をする事にした。