「うわー速い!!」 『にいちゃんたちカップルかい?』 車を引く人が私たちに尋ねた。 「あ!いや、そういう関係じゃありません」 春真がちゃんと答えた。 『そうなんかい。手繋いでるからてっきりカップルかと思ったよ』 ははっ!と笑いながらオジサンは街を走った。 私はとっさに繋いだ手を引っ込めようとした。 が、春真が離してくれない。 春真の顔を見るがまっすぐ前を見てるだけだった。