『3年2組、香月 櫻!』
「はいっ!」
出来るだけ、普通の声で、大きく。
そう思っていたけれど、
やっぱり少し裏返ってしまった。
目の前では校長先生が、
「卒業おめでとう」
と言いながら卒業証書を持っている。
「ありがとうございます」
私は頭を下げながら、それを受け取る。
回れ右をして、体育館のステージから
体育館を見渡す。
涙を流す仲間達。
お世話になった先生。
難しい年頃の私と向き合ってくれた両親。
全部、全部、目に焼き付けておきたい、
そう思った。
熱いものがこみ上げてきて、
でも席に着くまでは頑張ろうと思って、
何とか耐えた。
席に着くと、隣には目を潤ませている
夏木がいた。
「櫻っ…」
「んっ…?」
「せーので泣こ」
「何それー」
そう言った時、もう夏木は泣いていて、
私も涙が溢れていた。
その後私達は校歌を歌った。
大好きな中学校。
大好きな友達、仲間。
大好きな先生達。
大好きな家族。
大好きな…恋人。
沢山の人達に支えられて、
私達はこんなにも成長したんだね。

