「ーー…っ何でよっ…」
何でそんな泣けるセリフ言うわけ?
きっと翔は、私が泣くのを我慢してるの、
分かってる。
分かってるから、言ったんだ。
私が泣けるように。
「泣くなよっ…」
「っそりゃっ…泣きたくなるよ…翔っ…!」
「何だよ…」
「ーー…こちらこそ、9年間どうもありがとう」
「ーーっ…」
私と翔は、違う高校に進学する。
9年間も、一緒の空間で過ごしたから、
そりゃ寂しくもなる。
本当はね、こんなはずじゃなかった。
毎日喧嘩して、殴り合いして、でも
結局は翔しかいないって感じでさ。
私に好きな人が出来た時はからかうし、
翔に好きな人が出来た時は仕返しだし、
彼氏彼女が出来たらデートで尾行し合うし、
本当にくだらないことばっかだったけど。
きっと翔がいなかったら、
もっとくだらない9年間を過ごしてた。
だから寂しさは倍増されるんだよ。
ねぇ、翔。
アイツと別れて、辛かった時…
夏木に裏切られて、どん底だった時…
そんな時、私の側にいてくれて、
ありがとう。
喧嘩しても仲直りしてくれて、
ありがとう。
友達が出来にくかった時、
輪の中にいれてくれて、
ありがとう。
合格発表の時、一緒に喜んでくれて、
泣いてくれて、
ありがとう。

