零(れい)
18歳
普段はチャラ男の様な物言いと風貌だが根は真面目。
誰よりも悠里(ゆうり)の事を大事に想っている。
高校では生徒会役員に所属していて会長をしている。
(実は前作品「兄弟」と同じ男子校が舞台)

悠里(ゆうり)
零(れい)の事を誰よりも知っていると自負している。
幼い時からあと少しの所で勉強も運動も敵わない零(れい)にコンプレックスを抱く。
高校では生徒会役員に所属していて副会長をしている。

零「ゆーり、書類まとめておいてくれない?俺、これから他校の女子とデートなんだよね。ほら、ここ男子校だし?」
(書類をバサバサする音)

悠里「れい、貴様(きさま)は...」
なんで俺はこんな奴にあと一歩の所で勝てないんだ。

零「ん?ゆーり、眉間(みけん)にしわがよってるぞー」
少し笑いながら相手を挑発(ちょうはつ)する様に。

悠里「分かった、後はやるから帰れ」
言い終えたあとにため息。

零「って、ウッソー。俺がゆーりを置いて仕事までほったらかすわけないじゃん?」

悠里「...っとに、お前ってやつは」
イライラしながらだんだん声を大きくする。

ガチャ(扉を開ける音)

雅「あの、お邪魔します。せ、生徒会長さん居ますか?」

雅也「雅、ビクビクしすぎじゃん!そんな、怖い人じゃなくね?なぁ、会長さん!」

零「あー、今度は言った新入生君じゃないか!こないだ入学式でぶつかった子だよね?」
へらへらと笑いながら

悠里「おい、そこの新入生」
ドスの効いた声で

雅「ふぁいっ!え、えっと」

雅也「おいおい、先輩。雅いじめんなよ」

悠里「な、俺はいじめるつもりはなくてだな」

零「ゆーりは、顔が怖いからなー。気にしなくていいよー君たち」

雅「あの、この、推薦状を頂いたので来たんですけど」

雅也「俺が会計で雅が書記ってこと?会長さん」

零「そうだね!今いる会計と書記の後輩組って形で新しく任命させてもらったよ。君たち、それぞれ国語と数学だけは得意みたいだしね」

悠里「また貴様は勝手なことを」

雅「入学テストの結果ですか?」

零「そう。それに、君たち見てるとシンパシー感じるんだよね♪」
楽しそうに話す。

雅也「シンパシー?」

雅「近いものを感じるってことだよ。雅也」

悠里「(大きなため息をつく)とりあえず処理は俺がしておく。君たちは今日は帰っていい」

雅也「はーい、じゃあなー会長さん、副会長さん!」

雅「失礼しました」

零「はいはーい!...っと、可愛いよなぁ、双子らしいぜ、あの子ら」

悠里「そうか」

零「ほーんと、素直じゃないなーゆーり。可愛いの大好きじゃん?」

悠里「うるさい...まぁ、好きだがな」

零「俺はゆーりが喜びそうだと思って推薦したんだよーあの子達」
あと、実際(じっさい)使えると思ったしね。

悠里「そうか」

零「ほーんっと、ゆーりは、笑えばいい顔してるのにもったいないな(リップ音)」

悠里「か、からかうのはいい加減にしろ!」

零「俺はゆーりのどんな顔も大好きだけどね♡」
とある男子校のとある生徒会。
これから一体どんな物語が始まるのかはまだまだ分からない。
そんな春の出来事。