葉鳥恭平(はとりきょうへい)
18歳
花屋の新米店員
小さい頃から花が大好きで高校を卒業後...念願の花屋に就職する。
何にも囚われない素直な性格をしている。
花屋の近くで一人暮らしをしている。

美島まこと(みしま)
14歳
中学生の男の子
思春期さながら反抗的な物言いをするが本当は花屋の葉鳥に構って欲しくて仕方ない。
葉鳥の働く花屋の近所に住んでいる少年。

恭平「いらっしゃいませ」
ごとん(物を置く音)

まこと「きょうへい!どうせ暇だろ!俺とあそべよ」
少し威張った感じで鼻をならす(フンってう感じ)

恭平「まこと、俺は今仕事をしてるんだ。終わったら遊びに行ってやるから...それまで我慢してろよな」
ため息まじりに頭を掻く

まこと「きょうへい!いつもそう言ってこないじゃんか!俺がどれだけ待ってると思ってるんだよ!」

恭平「悪かったよ、仕事の後...結局疲れて寝ちまうんだよ、あーほらあれだ。週末ならさゆっくり遊べると思う」
てか、なんで俺は中学生の子供に怒られてるんだろう。そもそもなんで俺とこんなに遊びたがるんだ?

まこと「きょうへいの、ばぁーか。もういい(泣き声になりつつ)」
どうせきょうへいは俺の気持ちなんてわからないんだ。

恭平「まこと、他に遊ぶやついないの?」

まこと「いるし、、でも、きょうへいじゃなきゃ嫌だ」

恭平「なんで?俺とお前じゃ歳も違うし楽しくないだろ?」

まこと「楽しいし...きょうへい...す、好きだから(もごもご話す)」

恭平「は?え、え?」

まこと「きょうへいがここに引っ越してきた時さ、俺、お金ないのに花くれたじゃん」

恭平「あー、入院してるお母さんにあげたかったんだろ?」
代金は俺持ちって事で花束をつくってあげたんだっけ。
半年くらい前の話か。

まこと「それから...きょうへいがいないと胸がきゅうってなるんだ、と、友達に聞いたら、、それは好きってことらしい」

恭平「お、え、ええっ、まじか...まこと落ち着け、ほら、お前思春期だし。気持ちが迷子なのかもしれないしそれに、俺ら男だし、な?」

まこと「きょうへい、俺のこと嫌いなの?」
泣き始める。

恭平「うわぁっ泣くなよ、嫌いなんかじゃないよ。す、好きだけど。まだその。あーーーっ、もういい。まことが、好きだよ」
抱きしめる(ガサガサ音)

まこと「きょうへい、大好き」

まことが恭平に抱きついた時ガサッと花が落ちる。
(花屋には珍しい山茶花(サザンカ)が目に入る)
花言葉は永遠の愛。

恭平「お、おう」
迂闊にもまことの笑顔を見た俺は胸がきゅうってなった気がした。
まさか俺、葉鳥恭平が中学生の子供を好きになってしまうなんて。
ましてや、この恋が永遠を誓う恋になるとはまだこの時は思うはずもなかったのだった。