遥(はるか)
19歳
春から地元の高校を卒業し東京の大学に入学する為、引っ越す事になった。
何事にも無頓着で鈍感なため周りの手を焼かせる憎めない青年。
光流のことを兄の様に慕っている。

光流(みつる)
25歳
遥とは父方の従兄弟。
幼い頃から兄弟の様に一緒に暮らして来たが大学卒業後東京で仕事をしていた。
遥の事を意識し始めた事で距離を取る様にしていた。


遥「いつからだろう、光流と話さなくなったのは」
風が心地よく吹く春。
俺は、従兄弟である満のマンションに一緒に住む事になった。
事の始まりは2週間前。

遥「え?きいてないよ、アパートの取り壊し!?」
東京に進学が決まった俺は母の知り合いが大家をしているアパートにお世話になる筈だった。
だが、取り壊しが急遽きまったらしい。
困り果てた俺は父に相談したところ父方の従兄弟である満のマンションにお世話になる形になった。

光流「予定よりも早かったな、遥」

遥「おう!満こそ元気だったか?」
久しぶりに見る満は大人になっていた。

光流「まぁ、中に入れよ。お前の荷物はもう届いてるから」

遥「ありがとう、えっと、お邪魔しまーす」

光流「まぁ、次の住む場所が早く見つかるといーな」

遥「お、おう」
あれ?俺、邪魔だったのかな。

光流「ご飯とか色んなことは俺がやれる限りやるから遥はやりたいように自由にしてくれればいいからな」

遥「え!俺も手伝うし!そんな子供扱いしなくても俺だって家事くらいっ...んっ!」

光流「はい、だ〜ま〜れ!お前は何かにしろ危なっかしいからな。ご飯でも口に入れておけば静かだろ?」

遥「んぐぅ、光流相変わらずひでーな」

光流「ひどいのはお前の頭な?」
相変わらず可愛いな
遥は本当に無頓着で何にも気付いてないんだな。

遥「分かったよ、大人しくしてるよ」

光流「じゃないと俺が困る」
遥が可愛い過ぎて抑えられるかよ

遥「光流、俺さー光流とまた一緒に居られるのすんげー嬉しいよ?だってさ光流はずーっと一緒にくらしてたじゃん。そりゃあ、光流は遠慮して家を出たのかもしれないけどさ。光流が居なくなってからすんげー寂しかったんだぜ?」

光流「まぁ、俺の両親が死んでからは遥の両親に世話になって申し訳なさもあったけど、それよりも...」

遥「ん?それよりも?」

光流「俺はお前が...いや、なんでもない」

遥「は?俺の事が嫌だったのかよ」
なにそれ、泣きそうなんだけど

光流「バカ、泣きそうな顔するなよ。逆だ。あー...お前の事好きなんだよ。だから距離を取ろうと思って家を出たんだ」

遥「え?あー、俺も光流のこと大好きだよ」

光流「ばーか、俺の好きはこういう好きだ(キスをする)」

遥「んんっ、んぁっ...」

光流「分かったか、ばーか。嫌なら俺と関わるなよ」

遥「い、嫌ではないけどびっくりした」
男とキスをして嫌ではないと感じた俺自身にも驚いていた。

光流「だから、早く住むところ見つけて出て行けよ?」

遥「それは、光流...ズルい」
どうやら俺はとんでもない同居生活をすることになったらしい。