セールス婚 〜負け組仮確定の私が勝ち組に成り上がるまで〜



「えっと……ほ、程よく隙があります」

「おお、多分それ〝程よくある〟やなくて、〝大分ある〟と思うけどな」

 難波のツッコミに、私と難波はくすりと笑った。

「それから……見た目が、ちょっと、柔らかくなりました」

「ああ、うん。前からやけど、もっと可愛なったな」

 この難波の一言には、私は俯いて照れ笑いをした。

「あと……料理はまだまだこれからなので、伸び代しかないです」

「うん。それは、期待出来そうやな」

 難波が、優しい瞳で笑ってくれた。

「あと、難波の側なら、自分の弱いところも、ダメなところも、全部見せられます」

「うん。全部、全部、見てきた」

 私は、嬉しくて、幸せで笑った。


「ちゃんと、尽くします。いい奥さんで居られるよう。いつも、知らず知らずの間に、そこに愛があるように。難波を幸せにできるように」


 私よりも頭ひとつ分は背の高い難波を見上げて笑った。すると、難波も優しい笑顔で笑ってくれた。


「なあ」

「なに?」

「幸せにするて言うてくれてるけど、もう、既に幸せやねんけど」

「え?」


 難波の言葉に首を傾げた。すると、難波は、私の前に真っ直ぐに立ち、私と目を合わせ直した。