セールス婚 〜負け組仮確定の私が勝ち組に成り上がるまで〜


「私が……難波のことを、幸せにする為に来た」

「はは、何言うてんねん。お前」

 きっと、難波は私の頭がおかしくなっただとか思っているに違いない。そういう笑い方だった。

 だけど、私はその笑みに一切つられることもなく、大きく深呼吸をした。


「難波」

「ん? どうした?」

「私……私な、こんなんやんか。アラサーやのに全然結婚まで有り付けへんし、結婚したいと思われる女じゃない」

 ゆっくり、ゆっくり、選ぶようにしながら発していく私の言葉を、頷きながら真剣に聞いてくれている難波。

 私は、そんな難波の様子に少しだけ安心しながら、また口を開いた。

「隙を作れって言われて財布忘れたり、猫かぶる癖もあるし、怒りっぽいところもある」

「でも、強がりでもあって、泣き虫でもあるな」

 私の言葉に難波がそう付け足した。その言葉に、私はやっと、少しだけ笑うことができた。

 やっぱり、難波は私の事をよく知ってくれているんだ。そう改めて思えた。


「ほんまに、こんな、ハムカツやなくてメンチカツ寄りの私やけど……」

「うん」

 くすり、と難波が笑いながら頷いた。

 私は、大きく深呼吸をして、また、もう一度大きく口を開く。







「私と、結婚してください……‼︎」